N響 マーラー交響曲第6番 イ短調「悲劇的」 


日時 : 2017/02/22
場所 : みなとみらいホール
集客 : ほぼ満席
曲目 : 武満徹/弦楽のためのレクイエム
    マーラー/交響曲 第6番 イ短調「悲劇的」
演奏:NHK交響楽団
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

マーラーの音楽は熟成した赤ワインに似ていて、いくつかの音楽の要素が
うまく混ざり合ってとてもいい味わいをだしているといつも思っています。
だから、オーケストラの金管とか木管、弦、とかハープとか打楽器が次々と
現れては消えてゆく波のような響きが好きなのです。今回は、弦は対向配置で客席からみて
左手に第一バイオリン、右手に第二バイオリン、で左手の奥にコントラバス、右手の奥に
ビオラが並びます。加えて、チェレスタ、ハープ4台、ヘルデンクロッケンやら2台のティンパニ、4台のシンバルと
打楽器群も重装備です。
さて、曲が始まって、あれれ、何か音が薄い、弦が少し遠慮気味で室内楽のようです、
でも金管木管の音色はとても輝かしくて、深みがあって、美しい、
こんなん、日本で聴けるのだったら、別にウィーンやベルリンや、アムステルダムにい
かなくてもいいんじゃないのかな、と思えるほどの管楽器です。でも相変わらず弦はすこし小さめ、
第三楽章にはいってやっとすこしバランスがとれたかなあと思えるほどです。で、そのまま
第四楽章も同じようにつっきってフィナーレでした。

決して悪い演奏でないし、弦楽器の音も悪くないのだけれど、弦の音が少し小さめで、フォルテで
音が濁ってしまっていました。理由はいくつか考えられますが・・
1)席は3階席のうしろのほうで主に天井からの反射音が多く結果として金管木管の天井からの反射音が大きめであった。
2)マーラーは別に対位法でもないのに弦を対抗配置にしていたためハーモニーが犠牲になり音が小さく聞こえた。
3)そういう演出で室内楽的な音楽を創造したかった。
4)このホールはそういう音だった。

この問題は機会があれば、このオケを場所を変えてもう少し聞きながら(なぜかって、管楽器はとても魅力的)考えていきたいと思っています。